海外旅行の外貨決済手段をユースケース別にまとめてみる。

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こんにちは、Shimaco(@shimacotrip)です。

海外旅行の外貨決済手段は為替レートや手数料の面から色々悩みどころが多いのですが、何かこう、機械的に判断できる運用ルールがあるといいなと思い、海外旅行の外貨決済手段をユースケースごとに整理してみることにしました。

基本的には利便性の観点からクレジットカードやデビットカードを使うことを前提にしていますが、どうしても現金が必要なケースがあるため、現金のケースも扱っています。

まだまだ色々なサービスを試し切れていませんので、私が試した (試そうとしている) 方法で整理していますが、今後もアップデートしていきたいと思います。

主要通貨が使える場合

旅先でドルやユーロなどの主要通貨が使える場合は、デビットカード決済(ドルやユーロの外貨預金から引き落とし)がおすすめです。

なぜかというと、クレジットカードの海外事務手数料が高くなったからです。

例えば、三井住友Visaカードは長い間(少なくとも直近10年くらいは)海外事務手数料が1.63%でしたが、直近1年くらいで2.2%に引き上げ、遂に3.63%まで引き上げされ、どこの闇レートやねんみたいな手数料率になってきました。

そういう訳で、最近はSony Bank WALLET (デビットカード)を利用していますが、外貨購入時の手数料が米ドルの場合、1通貨あたり0.15銭と安いです。1,000USD購入しても150円しか掛かりません。(その上、替手数料片道0円キャンペーンがときどき実施されます!)

デビットカードで決済する場合は外貨預金に残高があれば、残高から引き落としされ、海外事務手数料がかかりません。
仮に外貨預金残高がない場合は、円預金から米ドルなら片道0.15円で自動両替をしてくれます。円口座を開設していない場合は事務処理経費が1.79%が掛かります。(素朴な疑問、デビットカードで預金がない場合って、どうやって請求されるんだろう…?)

しかも、GWやお盆期間にはキャッシュバックキャンペーンが開催されています。上限は決まっていますが、少しでもオトクに使えてうれしい限りです。
ちなみに、2023年の夏休みの10%割引(上限5,000円)のキャンペーンでは、8月中旬に使って11月中旬頃に判定され、11月末に円預金口座に5,000円が振り込まれていました。

大事なことなので書きますが、要エントリーなのでお忘れなく。残念ながら、私は2024年夏休みはエントリー忘れて取り損ねました。Vietjetの航空券を外貨預金から購入したのに。

参考までに過去のキャンペーンの案内を掲載します。

次のステップとして、決済当日のレート購入時レート (複数回に分けて購入したときは平均購入レート) と比較します。

ただし、クレジットカードの場合は実際に決済当日ではなくて、カード会社へのデータ到着日のレートが適用されますので、割り切って決まったレートで決済してしまうのもありかと思います。その場合はスキップしてください。

※類似サービスとして、SMBC信託銀行のプレスティアがありますが、取り扱い通貨がソニー銀行よりも多く、タイバーツやトルコリラも使えるみたいでした。
難点として、口座手数料が月額2,200円掛かるようです。円預金50万円か外貨預金20万円等の残高条件やローンの契約等からいずれか1つ満たしていれば免除されるようです。毎月残高に気を付ける必要があるので個人的に億劫に感じます。

購入レートより円安の場合

購入時よりも円安に振れていれば、余分なお金を払わないで済むことになるので、Sony Bank WALLET (デビットカード)を利用します。

例えば、実際のケースですが、平均購入レートUSD=140円で米ドル預金を持っていたのですが、相場がUSD=160円のタイミングで航空券を購入するケースがあり、このときはSony Bank WALLET (デビットカード)で決済したことで、為替分がお得になりました。

購入レートより円高の場合

逆に円高に進行した場合クレジットカードを利用します。

使わなかった外貨預金の使い道ですが、

  • 外貨預金は定期預金で運用
  • 売却して為替差益を得る

比較的短いスパンで海外旅行するなら、次の旅の資金として外貨定期預金に預けます。
特に米ドル定期預金は4%台で運用できますから、私も使わないときは半年とか1年単位で定期に預けます。もし、航空券購入等で外貨決済で必要になった場合は解約して使っています。
為替は不確実ですが、金利収入は確実に得られます

あるいはこの時点で売却して為替差益を得てもよいかもしれません。
私は米国利下げ&日銀利上げにより、円高進行が濃厚になったときは、手持ちのUSDが平均購入レートUSD=143円だったので、「1ドル=150円切りそうになったら売る」と損切りラインを決めて売りました。

あらかじめ150円で売ると指値注文をしておけば、忘れていても150円になったタイミングで自動で売ってくれます。損切りは自分の感情との闘いが生じることもあるので、自動化しておきたいポイントです。

最後に、ソニー銀行は大部分の行先はカバーはされていますが、マイナー通貨を扱っていません。次にマイナー通貨の場合を紹介します。

マイナー通貨の場合

この場合は通貨種類が40種類と多いWiseデビットカードがよいと思います。(類似サービスにRevolutがありますが、まだ調査できていません・・・。)

両替した通貨は外貨預金口座に入金され、Sony Bank WALLETと同じくデビットカードで使った分が外貨預金から引き落としになります。通貨によりますが最低0.6%~の手数料率にて外貨を購入できます。

主要通貨の場合もWiseでいいのでは?と言われそうですが、Wiseで米ドル購入を1,000USDでシミュレーションした結果、手数料が5USDくらいと率にして0.5%ほどでした。
ソニー銀行で1,000USDを両替すると、手数料は150円 (1通貨0.15銭)ですから圧倒的にSony Bank WALLETが有利ですね。

次に手数料率を比較していきます。手数料率の確認は、Wiseの為替コンバーターでは表示されないため、Wiseのアカウント (無料)を作成してから「両替」シミュレーションを行います。

手数料率がクレジットカードより低い場合

Wiseで両替しましょう。

なお、現金がどうしても必要でATMから引き出す場合はWiseデビットカードの預金残高をATMで引き出せます。手数料率などをまとめてみました。

手数料率がクレジットカードより高い場合

クレジットカードを使いましょう。

Wiseで使えるマイナー通貨は手数料率次第で使うとよいと思いました。また、余った場合は、ソニー銀行のように定期預金等で運用できないため塩漬けになりますから、少額ずつの両替がおすすめです。(日本円に戻す場合も両替手数料が往復でかかるため、両替しすぎは避けたいですね。)

主要通貨ではない上にWiseでも両替できない場合

クレジットカードを使うしかありません。

ただし、海外事務手数料カード会社のキャッシュバックやポイントの条件も確認しながら、海外で使うカードを吟味していきます

例えば、私は積み立てNISAのために三井住友プラチナプリファードを利用していますが、海外ショッピング利用金額に対して2%のVポイントが付与されますので、実質、海外事務手数料が1.63%になりますので、許容範囲だと思うので利用します。

また、同じ三井住友でもAmazon Masterカードは手数料改定の対象にならないようで、従来通り、1.63%で利用できるようです!私は三井住友プラチナプリファードは初年度年会費無料期間過ぎたら、別のカードを使おうと思っていますが、Amazon Masterカードも候補です。

どうしても現金が必要な場合

利便性や持ち歩きの安全性からいうと避けたい選択肢ですが、現金決済が主要な国での両替手段を考えてみました。

海外キャッシング+繰り上げ返済

クレジットカードの海外キャッシングが手ごろかと思います。三井住友カードを例にすると、キャッシングの場合に必要なコストは、

  • 支払金利 18.0%(年利)
  • ATM手数料 利用金額に応じて110円~210円
  • ATM固有の手数料

金利は日割り計算のため、繰り上げ返済することで金利支払いを抑えることが可能です。
三井住友カードの場合は有人チャットで繰上げ返済の手続きが可能です。海外からでも日本の営業時間内であれば連絡すると、元利合計金額と振込先を案内してくれますので、指定された振込日に振り込みます。

キャッシングで引き出してすぐに連絡するようにしていますが、旅行は長期休みが多いためカード会社が営業時間外であることもありますがなるべく数日内に連絡しています。
日割り計算などの締切日は日本時間15時で締め切るようなので、日本時間の15時までに連絡するのがおすすめです。

ちなみに、振込手数料無料枠がある場合は繰り上げ返済がおすすめですが、振込手数料がかかる場合は金額によってはカード代金引き落としまで待つのと変わらないこともあるため、手間をかける価値はあまりないかもしれません。

また、カード会社の定めるATM手数料の他に、ATM別のATM固有の手数料(国によってしくみが異なる)が加算される場合があるため、事前に「ATM手数料無料」の銀行を調べるのがおすすめです。
例えば、モロッコではPosteという郵便局のATMであれば手数料無料という具合に。

Wiseデビットカードで外貨預金残高引き出し

外貨預金から引き出す場合のコストは以下の3階建てになっています。

  • 月2回までATM手数料が無料
  • 通貨によって、引出し額に対する変動手数料あり
  • ATM固有の手数料

ATM手数料が無料はすごくメリットが大きいと思います。クレジットキャッシングの場合には手数料掛かるので、通貨によってはクレジットカードでの海外キャッシングよりもお得になるかもしれません。

ATM固有の手数料はこのケースと同様に事前に調べていきましょう。

Sony Bank WALLET (デビットカード)で外貨預金残高引き出し

この場合のSony Bank WALLET (デビットカード)は基本的にはおすすめできません
なぜなら、外貨預金をATMで引き出す場合の事務処理経費が1.79%と結構かかるからです。自分の外貨預金引き出すのにお金掛かるんか…。

このため、ユースケースとしては事務処理経費を加味した上で当日のレートよりお得であればようやく使う判断になる感じと思います。

具体的には、外貨預金の平均購入レートがUSD=140円で100USDおろす場合に、

  • 100USD × 140円 × 事務処理経費1.79% = 14,251円(※小数第一位で四捨五入)
  • ATM手数料は未定

実質、1USD=142.5円ほどになりますが、当日のレートが1USD=142.5円よりも円安に振れていれば使う意義が出てくると思います。
この際、微々たる差異は気にしないとして、当日のレートが1USD=143円よりも円安に振れていれば、外貨預金から引き出す方がと思います。

現金から両替

手元に余った米ドルやユーロがある際は利用しますが、手数料で結構持っていかれる経験があるので、上で紹介したような方法で現金調達するのが良さげに思います。

まとめ

円安方向に為替が動いている相場では、旅行前に外貨を購入して準備しておくことで、為替ヘッジができてしまいます。

2023年はどんどん円安になっていく相場でしたが、2024年は日銀の利上げ、米欧英は利下げが予定されて円高に振れる要素があり、購入の判断が非常に難しかったです。

そんな相場では、毎日とか毎週とか外貨積み立てで、ドルコスト平均的な買い方の利用も一つかと思います。

以上、ユースケース別に使い分けを整理してみました。
正直、実際に使うときは航空券とかホテル代など大きな額で決済しない限りは細かく検証して使いません。(笑)

ただし、冒頭にも書いた通り、ざっくり機械的に判断できる指針が欲しくて、今回は整理してみました。

検証として粗い箇所もありますが、最後まで読んでくださりありがとうございます!
それでは良い旅を!

旅のコツ
この記事を書いた人

旅を愛し旅に生きる33歳女子。
37か国/国内47都道府県を旅しました。
「自分の足で歩く」のが好きで、ほぼ全て個人手配です。
「個人で旅をしてみたい。」そんな人の背中を押すような情報をお届けします。
直近の旅はモロッコ、イギリス、オランダに行ってまいりました。順次記事更新していきます。

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